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山とかトレランとか

奥信濃100

長野県木島平というところで開催された奥信濃100の100kmに参加、完走した。

コースはそれぞれ30km程度の3つのセクションに分かれていて、おおむね以下の地図の通り。結節点の糠塚エイドは3回通過する。

1. 高社山の周りを一周してから高社山の山頂(標高1351m)まで登ってスタート地点まで戻ってくる
2. カヤの平まで沢沿いの古道を登り、湿原を巡ってから林道を下って戻ってくる
3. けやきの森公園まで行って帰ってくる

セクション1、高社山の登りまではアップダウンが少ない。最初のエイドは13km地点の夜間瀬エイド。このエイドが、到着したらトイレ待ちと水待ちの行列で大混雑・・・。かなり時間をロスする。さらに、エイドを出るころにスイーパー登場で焦る。

高社山の登りは相当ハードだった。尾根筋に出るまでがつづら折りの急登、尾根に出てからも鎖場やロープのある険しい道。山頂は展望があり、飯山のまちが見渡せた。妙高とかは見えなかった。

下りも急。リフトの隣の道を降りていくが、これがゲレンデというのが信じられない。

スタート地点に戻って、5kmくらい歩いてから1回目の糠塚エイド(33km)に到着。このころはまだ体力的にも時間的にも余裕があった。

で、セクション2の開始。糠塚エイドで、向こうに見えているのがカヤの平エイドだと教えてもらう。トップの選手は2時間で到着したとか。

最初はよく踏まれた道で緩やかに登っているだけだったので、余裕じゃん、と思っていたら、途中から沢沿いの古道に突入し、これがとにかく凶悪だった。もともとカヤの平に向かうための道だったが、林道開通を契機に使われなくなってしまったのをこのレースのために整備したとのことで、つまり普段は人が通っておらず、全体的に歩きにくい。前日の雨もありドロドロにぬかるんでいて足を取られるし、体力がどんどん奪われていく・・。

一方で沢沿いでもあるので気温は低く、足元を除けばコンディションは良かった。沢の水は極めて冷たく、ドボンしてみるとしばらく足の感覚がなくなるくらい。

この古道で完全に体力がなくなってしまったらしく、沢を抜けたあともしばらく緩やかな登りが続くのだが、ここで吐き気を催し、しばらく動けなくなってしまった。ハンガーノックぽかったので柿の種をなんとか食べて歩き始めるも、次は強烈な眠気がやってきて、まともに歩けなくなってしまったので、道端で寝る。10秒もしないうちに寝てしまったのでおどろいた。ただそれで回復して、なんとか次のエイドのカヤの平(48km)まではたどり着けた。

この辺で、制限時間がやばいことにようやく気づく。あと、garminの計測に問題があることにも気づく。

  • garminをつけっぱなしにしているとエイドで距離を無駄にカウントしてしまう(長居し過ぎ)
  • garminをつけっぱなしにしないと今の時間がわかりにくい(長居し過ぎ&表示の問題)

どちらにしてもエイドに長居し過ぎていて、トータルでも1時間以上はエイドにいたんじゃないだろうか・・。お腹がすいて食べても食べても空腹が紛れないので、カロリー補給の問題もあると思うので、どう対策するべきだろうか・・。

ちなみに、エイドでは判断力が低下していることもあり、また急いでカロリー補給をしないといけないので、おにぎりとバナナをコーラで流し込んでしまい、あまりにもまずくて驚いた。

カヤの平はご褒美コースで、アップダウンが少なくて本当に助かった。時間は夕方、鬱蒼とした雰囲気のブナの原生林を亡霊のようにさまようトレイルランナーたち。

セクション2の締めはカヤの平からの林道15kmダウン。絶対に走らないと関門に間に合わない時間になってしまっていたので、走る。この辺で日が暮れてヘッデン装備。最後の方で渡渉があって怖かった。

すっかり暗くなってしまった2回目の糠塚エイド(72km)。到着は関門30分前だったが、ここでリタイアするかどうか、もうリタイアしていいんじゃないか、次のエイドは無理なんじゃないか・・と迷う。単に疲れているだけでなく、吐き気で胃腸が弱くなっているのを感じていたのがとにかく不安だった。豚汁も配っていたけど、とても食べられる気がしなかったので汁だけもらって飲んだりするくらいに、調子が悪かった。途中でお腹がすいても食べれなくなってしまったらもう間に合わないし。でも結局続けることにした。やれるところまでやろうと。

セクション3開始後は復路の100kmの選手とたくさんすれ違って、声をかけてもらったが、道が別れてからはもうすれ違う人も一緒に行く人もなく、ひたすら暗闇の林道を下るのみだった。例によって走らないと間に合わないので、足が痛いのを我慢してとにかく走った。かかとの少し上辺りが擦れて痛かった。何度も水に浸かってしまったのでそれで靴が縮んだのかなと考えていた。

必死で走ったら、なんとか間に合った。けやきの森エイド(84km)。写真はブレブレだがそれどころではない。このけやきの森エイドから次の糠塚エイド(3回目)までが実質的な最後の区間といってよくて、というのもこの区間が10.5kmで制限時間は2時間だが、糠塚エイド(3回目)からゴールまでは5kmで制限時間が1時間半あり、たぶん全歩きしても間に合う。なのでここで勝負をかけるというか、とにかくめちゃくちゃ頑張る必要があった。エイドの人もはやく選手を送り出さないといけないと分かっており、水を入れてくれたり、食べ物をザックに詰めてくれたりと、親身になってサポートをしてくれた。

コースとしてはよく整備された山道と林道を500mほどのぼって、その後は林道を下る。この林道の頂点にいつまでたっても到達しなくて、辛かった。90km地点の標識が思っていたよりも1.5km程度あとに出現して焦った。流石に場所が違っていたと思う。

糠塚エイド(3回目、95km)には関門10分前に到着。林道の登りをちんたら歩いてたのが時間ロスになったが、間に合ったのでよし。ホッとして、豚汁を食べたり休憩してからレース再開。このときは具も食べられたので、胃腸も多少回復してそうだった。

最後の5kmは足の痛みに耐えながらゆっくり歩いた。スイーパーの人も後ろにいてすこし会話したりした。つまりほぼ最後尾。

で、やっとゴール。途中絶対もう無理だと思っていたので、間に合ってよかった。ほかの参加者はもうほとんどいなかったけど、移動販売のハンバーガーがあったので、それを食べた。

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感想としては、100kmはさすがにスケールが違うと思った。山岳パートにしても林道パートにしても、距離と標高差がこれまでに出てきたレースよりも長くて大きい。カロリー補給が間に合わないのは、ちょっと無理しすぎてるかもなーと思ったり。単純にもっと速くなれば必要なカロリー数は少なくなるが、そういう問題なんだろうか?事前の心配としては6月開催なので気温のことがあったが、曇りだし沢沿いの道もあったりで問題なかった。渡渉後の足のケアみたいなのもちゃんと考えたほうが良さそう。宿が遠すぎたとか他にも色々あるけど、とにかく完走できてよかったです。