.kr

山とかトレランとか

何があってもおかしくない

 

何があってもおかしくない

何があってもおかしくない

 

 

エリザベス・ストラウトを読むのはこれで三作目で、残りは「私の名前はルーシー・バートン」と「オリーブ・キタリッジの生活」。だいぶ前のことなので、「ルーシー・バートン」の内容はすっかり忘れてしまっていて、ちょっと勿体ない。三作の中では「オリーブ・キタリッジ」が一番良かった。

 

誰にでも語り尽くせない歴史の積み重ねがある、それは小説に脇役として数行登場する程度の人でもそうだ、ということが伝わってくる。多数の登場人物がいて、寄り添うように語りがある。なんとも思っていなかった人に思わずぎょっとするような、普通じゃないことがあったりする。

 

プロットの面白さと、リアリティのバランスのとり方が難しい小説だと思った。個人的には、こんなに色々な繋がり方をする人間関係ってあるのかな、と思ってしまった(都会的な交友の少ない希薄な日々を送っているので)。密度の高い関係が羨ましいような、田舎の息苦しさを感じさせるような、どちらかというと後者寄りの感想。